※本記事は人材紹介サービス「CAREEPOOL(キャリプール)」(運営元:ドリームインキュベータ)からの転載記事です

転職活動を成功させる上で大事なことは、転職先探しと面接だけではありません。転職活動中の周囲との関わり方も大事になってきます。

特に、「会社」と「家族」との関わり方は大事で、この関わり方が上手くいかないと、転職活動そのものにも悪い影響を与える可能性があります。

では、「会社」と「家族」とどう関わっていけばよいのかという話をしていきます。

結論から先にお伝えしてしまうと、転職活動中の「会社」と「家族」への関わり方は真逆にすべきです。「会社」に対しては、最終報告のみ。「家族」に対しては、こまめな共有と相談です。

今回は、「会社」との関わり方の詳細をお伝えします。


転職活動をしていることは会社に知られない方が良い

会社との関わり方の大方針は「最終報告のみ」です。

もう少し詳細にお伝えすると、「転職活動中は会社の上司や同僚などに、活動をしていることは相談せず、転職が決まったら伝えるようにする」ということです。

なぜこれを推奨するかというと、理由は一つです。万一転職しなかった時に、元のポジションで今まで通り働くためです。

転職活動をしていることが、周囲に知られてしまってもそこまで大きな影響がない場合もあります。しかし、配置換えをさせられてしまったり、周囲から信頼を失ってしまったり、取り返すことが難しい影響を与える可能性もあるのです。

なぜ悪い影響を与えるかと言えば、あなたが転職するかもしれないことは、会社の上司や同僚にとってマイナスの情報でしかないからです。

上司からすれば部下が辞めることで、自分の評価が下がるかもしれない。同僚からすれば、あなたが担当している仕事を自分が引き継がなければならないかもしれない。そのような不安を抱えることになるからです。

では、転職活動をしていることを周囲に知られた場合、具体的にどのようなリスクが発生するのでしょうか?

Freedomz / Shutterstock

1. 周囲に転職活動を知られた場合のリスク

必要以上に慰留される

上司はあなたに辞められるとマイナス評価がつく可能性があります。そのため、よっぽど必要とされていない人でない限り、強い引き留めに合うはずです。そして、それは転職が決まる前であれば尚更です。

この引き留め活動により、上司との関係が悪くなったり、あなたの転職意欲が鈍ったりすることがあります。

異動させられる

引き留めだけならまだマシですが、上司によってはあなたを異動させようとする人もいるでしょう。上司からすれば、部下のあなたが辞めると自分のマイナスになりますが、違う部のあなたが辞める分には関係ないからです。

出世や評価に強いこだわりを持ち、そういった強硬手段も厭わないような上司の下にいる場合は注意が必要だと思います。

重要な仕事を与えられなくなる

あなたが上司だったとして、辞めるかもしれない部下に重要な仕事を任せるでしょうか?重要な仕事は長期にわたる可能性も高く、引き継ぎが発生するリスクを考えると、任せたくないと思うのが普通です。

転職が上司の耳に入れば、重要でない小さな仕事ばかりふられるようになり、評価も低くなる可能性があります。

周囲を不安にさせる

あなたが転職活動をしていることを知って不安になるのは上司だけではありません。一緒に働く同僚も同じです。

特に、あなたがチームのリーダーやマネージャーであれば、メンバーは日々不安になり、関係性が保ちにくくなります。

このように、転職活動をしていることを上司や同僚に知られることは様々なリスクがあります。まずはリスクを把握しておくことが大事です。

しかし、リスクがわかっていても、転職活動中は隠しておけない心理が働くものです。

次は就職活動中に周囲に相談しなくなる理由とその対策についてお伝えします。

ESB Professional / Shutterstock

2. 隠しておけない理由とその対策

いきなり辞めると伝えたら迷惑がかかるのではないか

真面目で責任感が強い人ほど、いきなり辞めたら迷惑がかかるのではないかと思ってしまいます。少しでも早く相談し、引き継ぎの準備をすべきではないかと。

しかし、周囲に知られるリスクでお伝えしたように、事前に知らせることはあなたにリスクがあるだけでなく、周囲にも余計な心配や負担をかけます。

相談しないと迷惑がかかるのではと思う人は、次のように考えてみてください。

「大きな企業では、あなた一人が辞めても何も変わらない」

大きな企業は、人が入れ替わっても業績が変動しないようにしっかりとした組織や仕組みが築き上げられています。自分の身の回りの人には多少迷惑がかかるかもしれませんが、少し広い視野で見れば、あなた一人いなくなっても大きく状況は変わりません。

少し寂しい考え方ですが、そう思うと周囲に迷惑がかかるのではという考えは捨てられるのではないでしょうか。

誰かに相談したい

転職活動中は悩むことがたくさんあり、誰かに相談したくなるものです。職場の違う同期なら良いだろうと、飲み会の場でつい転職活動をしていることを相談してしまい、そこから周囲に知られてしまう、なんてこともありえます。

転職活動中は気持ちの高ぶりや不安で、誰かに話をしたくなるものです。しかし、その相手は同じ会社の人間である必要はありません。

日頃から、家族や社外の友人に相談したり話したりすることで、誰かに話したいという欲求を減らしておくことが重要です。

転職の意志を表明することで、今の処遇を改善したい

転職活動をしていることを周囲に明かしてしまう人の中には、今の待遇を改善するために敢えてする人もいます。「給料が上がらないなら転職する」、「希望部署に行けないなら転職する」というような形です。

しかし、転職が決まっていない状況でこれをやるのはリスクが大きいです。交渉も失敗、転職活動も失敗となった場合、今より状況が悪くなる可能性があります。

もし交渉するのであれば、転職したい会社から内定が出た後にすべきです。交渉が失敗したら辞めるという選択肢と強い意志が揃った状態で、一発勝負に賭けましょう。そして、交渉が失敗したら潔く会社を辞めて、内定した会社に転職してください。

まとめ

転職活動中の会社との関わり方は、決まってからの報告のみにすべきです。活動中の情報はあなたにも上司や同僚にもメリットをもたらしません。

後ろめたい気持ちをおさえて、「会社へは報告のみ」を忘れずに転職活動をしましょう。


【連載】ベンチャー転職TIPS

第1話 ベンチャー企業への転職をおすすめする3つの理由
第2話 ベンチャー企業への転職で失敗しない「お金」の考え方
第3話 自分はベンチャー企業に向いているか。適性を考える
第4話 ベンチャーへの転職前に解消すべきギャップ(前編)
第5話 ベンチャーへの転職前に解消すべきギャップ(後編)
第6話 大企業とベンチャー、働いたからわかる両方のメリット
第7話 ベンチャー転職の面接で気をつけるべきこと(前編)
第8話 ベンチャー転職の面接で気をつけるべきこと(後編)
第9話 転職活動で迷ったら、論理だけでなく感性に頼ろう
第10話 転職活動で失敗しないための周囲との関わり方


取材者・平重 克樹 文・ 大久保 崇
提供元・CAREEPOOL powered by DIMENSION