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アーキテクトのデザイン史に30年以上の歴史を刻んできたGARDE(ギャルド)は、これまでに国内外で、街並みに華を添えるラグジュアリーブランド、家族や友人と素敵なひと時を過ごすホテル、ショッピングを楽しむ百貨店や店舗、最新メソッドで構築されたオフィスなど、多くの設計デザインを手掛けてきた。それらの中には、商業施設の枠を超えて、国や地域のランドマークとなっているものも存在する。

GARDEが得意とするラグジュアリーブランドの設計デザインでは、ブランドの価値とコンセプトを守りながら、現地の文化や顧客の嗜好にあわせたローカライズが求められる。そのためには、事業を統括するプロジェクトマネージャーと国内法規に適合させるローカルアーキテクトは、高い専門性を発揮して、人と文化を調和させなければならない。

コロナ禍を乗り越え、世界中で人の往来が復活している中で、新たな高みを目指すGARDEの現状と求める人材像について、代表取締役社長の室 賢治とプロジェクトマネージャーの佐藤かえでに話を聞いた。

挑戦し成長ができる環境を提供する


世界のラグジュアリーブランドが集まり、国内外から観光客が押し寄せる表参道(東京都港区)に、GARDEのオフィスはある。ブランドと人が交差する街に居を構えていることからも、同社のアイデンティティがうかがい知れるだろう。1985に創業したGARDEは30年以上にわたり、ここ表参道の地から、国内と海外にデザインを発信してきた。

現在、GARDEを率いる室は、武蔵野美術大学で空間演出デザインを専攻し、三越百貨店のデザイン職を経て、2010年に入社、22年には社長に就任した。海外の新規案件獲得では極力コンペに参加せず、決定権がある人物に直接アクセスするという手法は、香港駐在など豊富な海外経験を持つ室が生み出したものだ。室はなぜ、老舗百貨店からラグジュアリーブランドのローカライズという道を選択したのだろうか。

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GARDE代表取締役社長 室 賢治

「私が三越を退職したのは、ホテルなど他のデザインを手掛けたいと思っていたからです。また、40歳前半で転職して、新天地で自分の実力を試したいという思いもありました。そのような中で、三越時代からやりとりがあったGARDEなら、会社の規模的に見ても自分がやりたいことができるだろうと考えて、転職を決心しました」(室)

入社6年目の佐藤は、初めて聞く室の懐古に、大きく頷きながら耳を傾ける。佐藤は米国留学中にGARDEと出会い、新卒で入社した。

「私は米国でアートを専攻していました。留学生向けの就活イベントにデザイン系で唯一出展していたのがGARDEでしたので、建築は畑違いかなと思いながらも、大きな舞台で自分を高めることができると考えて就職しました。

米国に残るという選択肢もあったのですが、米国企業はある程度経験を積んだ人を採用します。一方でGARDEなど日本企業は新卒枠で採用し、社内で経験を積ませてくれるので、その点も当時の自分に合っていました」(佐藤)

コミュニケーションから生まれる“ファン化”


これまでにGARDEは、「BARNEY‘S NEW YORK」や「梅田阪急百貨店」、2021年4月に開業した、17万m2に約50のラグジュアリーブランドが並ぶデパートメント・モール「寧波阪急」(中国)など多くの店舗や施設をデザインしてきた。また、上述のとおり、ラグジュアリーブランドのローカライズも得意としている。次々と大型案件を手がけるには、何らかの秘策があるはずだ。

「GARDEは国内で展開するインポートブランドおよそ130社のうち、約80社の案件を手がけています。これだけの数を手がけていると当然驚かれますが、特に秘策があるわけではありません。ラグジュアリーブランドがローカライズするにあたって求めるのは、クオリティを再現、表現できるのかに尽きます。

ですから、私たちはブランドのクオリティを保つために、海外の本社と綿密な打ち合わせを何度も繰り返します。そこで重要になるのは、コミュニケーションの能力です。相手の話をとことん聞いて、自分の意見もきちんと伝える。そういうやりとりを繰り返す中で、ブランド側に自分を好きになってもらう。私はこれを『ファン化』と呼んでいます」(室)

室が語るGARDEの強みは、商品を売るのではなく自分を売るという営業の基本に愚直なまでにこだわる姿勢から生まれていることがわかる。このコミュニケーションに重きを置く室の考えについて、佐藤は居心地の良さとある種の緊張が同居する社風としてGARDEに現れているという。

「コミュニケーションを重視するということは、社風として定着しているように感じます。GARDEは職人気質な社員が多いのですが、仕事をするときには、きちっとまとまります。もちろん、議論は白熱しますが、上位下達ではなくフラットな関係の中で、ブランドの価値をいかに高めるかを、とことん話し合っていますね」(佐藤)

俯瞰とこだわりがキーとなる、それぞれの職種


佐藤が新卒で入社したことは先に触れたが、彼女は当初からプロジェクトマネージャーとして採用されたため、アシスタント的な仕事から始まり、経験を積むごとに大きな仕事を任されてきた。室が「会社のムードメーカー」と評する佐藤は、GARDEでのプロジェクトマネージャーの仕事を「大変だけど、成長を感じる」と語る。

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プロジェクトマネージャー 佐藤かえで

「プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを円滑に進めるため、スケジュールとコストを細分化して、軌道に乗っているのか全体を俯瞰することが仕事です。そのため、海外の本社と英語を使ってミーティングしたり、実際に出張して細かいところを詰めたりもします。

個人的に思い出深いのは、『GINZA SIX』にあるラグジュアリーブランドの仕事です。クライアントが打ち出す新たなコンセプトを、時間がない中でスケジュールとコストを調整し、デザインも妥協せず完成させました。あの時の達成感があるからこそ、いまも頑張れるのだと思います」(佐藤)

プロジェクトの全体を俯瞰するのがプロジェクトマネージャーの仕事だとすると、ラグジュアリーブランドの基本設計やマニュアルを、日本の法律や材料に合わせて必要な修正を施し、施工管理を行うのがローカルアーキテクトの仕事だ。

「GARDEのローカルアーキテクトには、海外のブランドがつくったデザインのアウトラインを、日本の法律や規則に合わせる形で入札・施工できる図面に起こして、正しく施工されているのか都度チェックすることが求められます。

そこで必要になってくるのは、先に述べたブランドが求めるクオリティを再現、表現できる精度の図面を描くことです。ゆえに、神経質なほどに細部までこだわることができる人が向いていると言えるでしょう」(室)

困難をモチベーションに転換し、ポジティブ思考で道を拓く


これまでの話を総合すると、GARDEが求める人材像は、プロジェクトマネージャーとローカルアーキテクトで若干の差異はあれども、コミュニケーション能力が高い職人と表現して差し支えないだろう。また、ラグジュアリーブランドなど海外の顧客との折衝も多いため、語学力も必要となってくる。

そうなると、華やかな世界で活躍するには多くの能力を兼ね備えなければならないのか思いきや、室は自らの経験から、「ポジティブ思考」があれば道は拓けると説く。

「デザインの仕事では、求められることを先読みして、アクティブに提案していくことが大事です。それが結果として、お客様の満足度を高めることにつながります。お客様とGARDEスタッフとのコミュニケーションを土台にしながら、目の前の困難をモチベーションに転換してくポジティブ思考があれば、大抵のことは乗り越えられるでしょう。そういった幅広いコミュニケーション能力を備え能動的に動くことができる方に、弊社で活躍いただきたいですね。

一方で、これら能力や思考の成長を個人任せにはしていません。設計や施工管理の資格取得の費用を支援したり、ブランドの本拠地を見聞するための数週間から年単位での海外研修を行ったりと、人材育成にはかなり力を入れているつもりです」(室)

室の言葉に、佐藤は「プロジェクトの川上から川下まで携わるので責任感とプレッシャーは大きいですが、誰もが知っているブランドの店舗や街で生活に溶け込んでいる施設を、仲間と一緒につくり上げた達成感は何事にも代えられません。弊社での仕事は、大企業ではなかなか味わうことができない、プロジェクトを一から積み上げ、形にする喜びを感じていただけると思います」と目を細める。

いまGARDEは、これまで主軸としていた領域を基幹としつつ、メタバースと地方創生、アートの3つの新事業の展開を進めており、これを室は「非デザイン、非内装でやっていく」と表現する。だが、この言葉の真の意味は、デザインを通じて社会に貢献していくということだろう。

顧客の満足度を高めることに注力してきたGARDEが創る新たな世界は、果たしてどのようなものだろうか。室や佐藤らGARDEのメンバーは、夢に向けて挑戦し続ける。

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Promoted by GARDE|文・吉永ケンジ|写真・古水 良|編集・本間香奈