終身雇用の崩壊や、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への変化など、日本のビジネスパーソンを取り巻く環境は日々変化している。そのような変化のなかで、一人ひとりが理想的なキャリアを実現するためには、若手のうちから自身のキャリアに真剣に向き合い戦略的にキャリアを描く必要がある。
そうした考えから、「点」ではなく「線」で中長期的なキャリア支援を実現するために誕生した転職エージェントが、「アサイン」だ。同社の目的は、未来を担う20〜30代の若手ハイエンド層が、理想のキャリアを形成する一助となること。一人ひとりの価値観にスポットを当て、最適なキャリアプランをともに描き、その人のキャリアに伴走していくことだ。
キャリア支援において、高い顧客価値を提供するために「一流のビジネスパーソンとして高い能力を備えたエージェントがキャリア支援をすべきである」と同社は考える。そのために、それぞれ価値観や個性を尊重し、メンバーの成長や挑戦を歓迎する環境を用意しているという。
例えば、全工数の20%程度はエージェント業務以外のサブミッションに取り組む制度がアサインには存在する。マーケティングや新規事業開発、PR、事業企画など業務内容はさまざまで事業成長に欠かせない重要な役割を担う。
今回は、エージェントとしての活動だけではなく、サブミッション制度を利用しCRM責任者として活躍する三辻宏弥と山上訓平にアサインの企業文化について話を聞いた。
複数のエージェントチームを束ねるグループリーダーとして活動する三辻宏弥。サブミッションではアサインにCRM「Salesforce Customer 360」を導入し、入社5カ月でCRM責任者となる。CRM導入の目的はアサインが運営する若手ハイクラス向け転職サイト『VIEW』のユーザーに向けて、有益なキャリア情報を届けることだった。
エージェント業務と全く異なるミッションに挑戦しようと考えた理由を尋ねると、「キャリア支援」にかける想いを聞くことができた。
三辻宏弥 アサイン グループリーダー/シニアエージェント/CRM責任者
「私自身転職活動をしていた際に、情報の取捨選択に非常に苦労しました。世の中には転職やキャリアに関する情報は溢れていますが、真に知るべき情報を見つけることは難しいように感じます。
ただ、アサインが長期的なキャリア支援を掲げるのであれば、求職者一人ひとりにパーソナライズされた情報を提供すべきであると強く感じ、CRMの導入に至りました。
エージェントとして日々求職者と接するなかで、いますぐ転職すべきではない人や転職後さらにキャリアを高めていきたい人など、その方の状況やキャリアの方向性によって提供すべきキャリアの情報や機会は異なると実感しています。
だからこそ、アサインのCRMは単純な顧客接点の創出ではなく、求職者のキャリアに生きる情報を提供するというミッションの基に設計されています。長期的に伴走し求職者のキャリア形成をサポートするというビジョンを象徴するような役割であると捉えています。
また、サブミッションで事業成長に携わることによって、エージェントの活動にも還元されていると感じています。実務レベルでCRMを理解しているというのはもちろんあります。
ただ、それだけではなくCRM導入の経験から新規事業の効果検証設計やABテストの考え方、リソースの配分やチームビルディングなど私自身多くを得たと感じています。転職後も求職者のキャリアに伴走し、その方がキャリアに行き詰ったときにサポートし続けたい。だからこそ、エージェントもビジネスパーソンとして成長し続ける必要があると感じています」
三辻同様、エージェント業務と並行してCRMをサブミッションとし、提供すべき情報を形づくっているのが山上だ。三菱UFJ銀行からキャリアをスタートしている彼は、財務知見を生かしIR資料や、BS(貸借対照表)やPL(損益計算書)の読み方、それらを基とした事業分析を全社に展開しているという。また、求職者のキャリア形成に適した企業を厳選し、コンテンツとして反映するなど活躍の幅は広い。
「マーケティング要素の強いコンテンツは世の中に溢れていますが、それでは不十分です。最も重要なことは、求職者にとって価値のあるコンテンツを生み出す力があるかだと捉えています。そのために、キャリアのプロという枠組みを超えて私たちが学ばなければいけないことは多岐に渡りますし、顧客価値を高めるために自己研鑽に励む必要があります」
山上訓平 アサイン シニアエージェント
「アサインには挑戦を歓迎する環境がある」とふたりは口を揃える。まさにそれを具体化した制度が同社独自のサブミッション制度なのだ。
「当然ですが、求職者と採用企業の双方の顧客のために事業を行っており、そのための育成制度や研修制度が存在しています。すべては顧客価値を最大化するために設計されています。
一方で、キャリア支援を手掛ける企業として、メンバーのキャリアにも多くの投資を行うのがこの会社ならではだと感じています。すべてのエージェントが高い実力で求職者の支援ができなくてはいけません。しかし、支援スタイルはそれぞれの個性や価値観によってさまざまです。それと同様にキャリアの志向性も異なります。
エージェント業務に向き合うなかで、他のキャリアを見出したいと思うのであれば、それに挑戦する機会は十分に与えられます。もちろんそれをものにできるかは本人次第であるという厳しさをもち合わせていますが、メンバーの個性や可能性が発揮されることを信じサポートするというアサインらしい文化の1つです」(山上)
最後に今後の企業としての展望を聞いてみた。
「現代のキャリアを取り巻く環境においては、既存の転職サービスでは求職者のニーズに応えきれないと考えています。だからこそ、キャリアを考えた際に第一想起される企業となり、多くの方にキャリア支援を届けたいと考えています。
そのためには、実力の高いエージェントが必要ですが、人が介するサービスだけでは不十分だと捉えています。ふと現職やキャリアについて課題を感じた際にそれを考える糸口になる情報が手に入る。例えば成果が出ずに悩む営業職の方でしたら、パイプライン管理やキーエンスの営業戦略について書いたコラムが解決の糸口になるかもしれません。転職活動において面接で躓き自信をなくされている方には、面接力向上を目的としたセミナーが役に立つかもしれません。
CRMを通して求職者一人ひとりにパーソナライズされた情報を提供する。その先に我々が目指すキャリア支援があると考えています」(三辻)
「自分自身が培ってきた経験や知見を活かし伸ばせる環境がアサインにはあると感じています。これからの時代を生きる若手ハイエンド層のキャリアをサポートすることに熱意をもてる方と仕事をしたいと思っていますし、さまざまな価値観やバックグランドを持つ人材が集まることで、一人ひとりに寄り添ったサポートが実現できると捉えています。この記事を見てアサインに興味を持っていただいた方と話すのが心から楽しみです」(山上)
みつじ・ひろや◎グループマネージャーとして複数のチームマネジメントを行う。また求職者に対する継続的な価値提供を目的としてCRMの責任者としても活動。
やまがみ・くんぺい◎三菱UFJ銀行からキャリアをスタート、コンサルティング業務に従事した後、ヘッドハントをきっかけにアサインに入社。若手ハイクラスに特化したキャリア支援を行う。
文・清水りょういち 写真・後藤秀二
編集・高城昭夫
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