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VUCAと呼ばれる時代。人々の生活や価値観が多様化したことで歴史ある事業会社が主力事業を転換したり、デジタル技術の進化によるディスラプター(破壊者)の台頭などで業界の垣根が曖昧になったりと、ビジネスを取り巻く状況が大きく変化している。こうした時代においては、事業会社に伴走するコンサルタントへの需要が増す一方、求められる役割は変化している。

役割の変化とは、すなわちコンサルタント自身の進化が求められるということだ。業務外での自発的な情報収集や学習もさることながら、業務を通じて成長を促し、バックアップしてくれる環境に身を置くことが、進化への一番の近道なのではないだろうか。

大手グローバルコンサルティングファーム“BIG4”の一角をなすKPMGコンサルティングにおいて最前線で活躍する戦略コンサルタントは、「役割の変化」、さらには自身の成長や環境についてどのように考えているのだろうか。話を聞いた。


「正解のない」戦略案件という領域


KPMGコンサルティングの戦略チーム「Strategy and Transformation」(以下、ST)パートナーの濱田知典は、大手グローバルコンサルティングファーム“BIG4”のすべてに籍を置いた経験をもつ。同社には2016年に入社し、現在はSTを率いるパートナーの1人だ。KPMGコンサルティングの経営企画部門の立ち上げの中核としての役割も担った。

マネジャーの篠木裕介は、保険会社や他のグローバルコンサルティングファームを経験した後にKPMGコンサルティングに入社。STにおいて、クライアントの新規事業開発支援を中心としたコンサルティングサービスに従事する。

STが担当する「戦略案件」とは、クライアントの事業ポートフォリオ、つまりは資源配分の方針決定に大きく影響を与える、経営の最重要イシューを扱うものだ。濱田は、数々の戦略案件に携わった経験から、その特徴を「ゴールそのものから考える、一義的な正解がない世界」と表現する。

篠木も同様に「顧客の悩みは100社100様。経営のフレームワークを使って考えても太刀打ちできるものではない」とその難しさを語る。

さらに近年は、戦略案件の難易度が上がっているという。例えば、モバイル決済をめぐっては金融機関と通信企業、自動運転技術ではIT企業と自動車会社が競うという、10年前には想像できなかった世界が現実になっている。

また、グローバリゼーションが加速する中で日本企業が世界に伍して戦うには、個社としてではなく、業界全体や行政を巻き込みながら、ルールや仕組みそのものを変えなければならないケースも多い。ビジネス環境が激しく変わり、個社の対応や従来の競争原理では解決できない課題も増えている。


戦略案件に総力戦で挑む


戦略案件で扱う領域が広がっている状況に対し、濱田は「正解がない世界であり、何を目指すべきなのかというところから描いていける。だからこそ、タフでもあるし、やりがいもある」とその醍醐味を日々味わっている。

濱田が言うように、前例のない案件に立ち向かう苦しさはあるが、同社の組織文化や仕組みがこの困難をやりがいへと転換させる。“BIG4”の中では比較的小さな組織であるがゆえに、グループ会社を含めた他部門とのコラボレーションが多く、さまざまな知恵を集結させることが文化として根付いているのだ。さらには評価基準となるKPIも、部門間コラボレーションを促すように設定されている。

このコラボレーションによって、コンサルタント自身も常に立ち止まることなく成長し続けられるという。

「さまざまなバックグラウンドをもつメンバーと議論すると、知識・知見が増えるだけでなく、多角的に物事を見る視点が養われます。例えば、我々が戦略面から考えるケースでも、サプライチェーンに長けている人はその戦略を支える物流オペレーションの観点から捉えて検証し、ファイナンス出身の人はそのモノの流れに付随するキャッシュの流れから捉えようとする。1人で考えていては、ここまで多様な視点は得にくいでしょう。経営は多面的に考えるべきものですから、結果として質の高いアウトプットにつながります。」(濱田)


KPMGの求人・採用情報を掲載していますKPMGコンサルティング・STパートナーの濱田知典

こうして部門を越えて自由闊達な議論ができるのは、同社のカルチャーに心理的安全性があるからだという。メンバーが意見を出した際に、たとえそれが論点から大きく飛躍していてもネガティブな反応はせず、まずはその意図・考えを聞いてみる、自分が見逃していた点がないかを考えながら慎重に咀嚼し、少しでも良い点があれば仮説に取り込んでいく、という思考と行動が根付いている。

STでは、若手メンバーを含む現場のディスカッションにパートナーも参加し直接議論する機会が非常に多く、職位に関わらず意見を交わしたり個人のチャレンジを尊重し合うカルチャーを築いてきた。

篠木はこの心理的安全性が、担当している新規事業開発には必要な土壌だと話す。

「新規事業開発案件では、突拍子もないアイデアがブレイクスルーになることも多いのです。例えば、ベテランコンサルタントがこれまでの経験や知見を生かし発案したアイデアよりも、新人コンサルタントの日々の生活の中で原体験として直面した課題や困りごとを解決するためのアイデアが採用されるケースも多々あります。そこで『上長やチームメンバーに否定されるかもしれない』という雰囲気があっては発想が広がりません」(篠木)

コンサルタントのパフォーマンスを最大化させるための雰囲気づくりが、チーム全体に共有されている。当たり前に思えるが、実は大きな武器・財産であるといえるだろう。


戦略コンサルタントの役割も大きく変化する


「戦略コンサルティングに求められる役割は、大きく2つの方向性で広がってきていると感じています。

1つは、個社が独力で戦略を考えるだけでは、業界自体の停滞に抗えない、もしくは国際競争に勝てないという局面を、個社支援の枠組みを超えて解決すること。普段は利害関係が相反する会社同士であっても、局面に応じて協働して業界課題の解決に道筋を立てるような座組を作っていく、というような動き方も求められるようなケースがあります。このように業界全体や国レベルで、日本全体をどう成長させていくかを描く場に参画する機会が増えつつあります。

次に、事業戦略策定支援において、戦略立案のみならず、それらを事業として立上げ、ローンチさせて併走するところまでの支援を求められることが多くなってきています。事業計画を策定している間にも環境は変わりますし、実際にローンチした後に諸条件や前提が想定と異なっていた、というようなことも起こり得ます。そのような場合でもクライアントと一緒に悩み、結果を出すために当初の事業案をピボットさせて事業を軌道に乗せていく、というところまで伴走することも求められます。まとめると、個社戦略のより上流を考えることと、さらにはその戦略が成果を出すところまで踏み込んでいくこと、2つの異なる方向に求められる領域が広がっています」(濱田)

 篠木が担当する新規事業開発においても、コンサルタントの立ち位置が変化しているという。

KPMGの求人・採用情報を掲載していますKPMGコンサルティング・STマネジャーの篠木裕介

「新規事業開発においては、業界を問わず競合が異業種やスタートアップ、海外企業にまで広がっています。そもそもスピード感や技術開発力を考えても、新規事業を個社で簡単に立ち上げにくい時代になり、他社との協業やアライアンスなどが必須になってきています。コンサルタントにおいても、特定分野における高い専門性だけでは到底太刀打ちできず、より幅広い分野の知識や情報が不可欠です。同時に、そういった知見をもとにした事業会社間の調整役こそが、コンサルタントの新たな役割として、クライアントからも大きな期待が寄せられています」(篠木)


激動の時代に対応するための思考力と粘り強さ


濱田と篠木がコンサルタントという職種を選んだ理由として共通するのは、「自分のキャリアを自分で決められる」点だ。異動でさまざまな職種を経験する企業とは異なり、「やりたい領域が決まっているなら、多様なプロジェクトを経験しながら専門性を磨ける」と、事業会社の経験もある篠木は語る。

濱田は、「20代のうちから幅広く、かつビジネスの最前線の経験を積み上げて、自分自身の市場価値を早く上げたかった」と新卒時代を振り返り、一貫してコンサルタントとしてキャリアを積み重ねてきた。

そんな2人にKPMGコンサルティングで活躍できる人材を問うと、濱田は「前例がない状況でも、考え抜いて自分なりの道筋を立てていくことを楽しめる人」と答えた。思考に必要なのは、少ない材料でも素早く仮説を立てられる「瞬発性」と、そこからそれを何度も何度も検証しブラッシュアップを繰り返す、粘り強く考え続けられる「持久性」の両面だという。「経験の浅いうちは、なかなか思うようにスジのよい仮説が作れずに苦慮するでしょう。なので、最初は“打率ではなく打席数”にこだわるように伝えています。まずは自分なりに考え抜いたものを恐れずに場に出し続けることが重要で、そこでの失敗を含む経験を、自身の反省や周りからのフィードバックを基に再挑戦するというサイクルを多く回すこと。それができる胆力と意思の強さを持っていれば、スキルは後からついてきます」と、後輩たちへエールを送る。

そして、複数のコンサルティングファームでの経験をもつ濱田だからこそ感じた、KPMGコンサルティングで得られる経験に、「自分の市場価値を高める経験を積める、強度と難易度の高いプロジェクトに、心理的安全性のもとでチャレンジできる」ことを挙げた。STでは、パートナーまでキャリアを重ねたメンバーでさえ、入社前までは戦略案件が未経験だった人もいるという。難易度の高いプロジェクトにチャレンジできる機会が得やすい一方で、パートナーを筆頭にそれをバックアップする風土や制度そしてその実績が整っているというのだ。日々担当するプロジェクトによって飛躍的に成長できる環境があるといえるだろう。

篠木は、「知的好奇心」「粘り強さ」、そして「他人のために動けること」の3つを挙げた。コンサルタントに求められる知見が幅広くなっているいま、多くの情報をインプットするにあたっての好奇心は欠かせない。また、成功確率が低いといわれる新規事業開発においては、仮説検証を繰り返す粘り強さに加え、クライアントの成功に向けて努力し、人のために動く喜びを感じられることが自身の原動力になるという。

今後、ますます企業を取り巻く環境の複雑化と競争の激化が予測され、それに伴い、戦略コンサルタントに求められる役割も拡大、そして複雑化するため、コンサルタントとしては自身を常にアップデートしていくことが求められる。

その努力する過程はタフである一方、だからこそ自身の市場価値を高め・維持し続けることにもつながる。既存の業界区分に捉われることなく、また、組織という枠組みに依存することなく、ビジネス環境の変化や市場のトレンドの最前線に立ち、自分のスキルを磨き続けられる環境に身を置くことは、複雑で変化が激しいからこそキャリアとしての魅力を高めるといえる。

KPMGコンサルティングは、この時代の変化に対応できるコンサルタントの成長をバックアップする環境が整っているといえるだろう。今後も、クライアントの健全な成長に寄与するという社の方針はぶれずに、顧客とともに進化し続けるはずだ。

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