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成功するDXの条件とは。

その一つは、「人が自発的に動くプロセスのデザイン」にあると、電通デジタルのコンサルタント有益伸一は言う。

クライアントのDX実現に向けたデータ戦略の中核を担う、ビジネストランスフォーメーション部門 データストラテジー事業部に所属する有益。AI等を用いた精緻な分析を得意とする一方、「ここでは左脳的な思考だけではなく、右脳的な思考も役に立つ」のだと、その仕事を楽しげに語った。

データから導き出した答えについて、人の心を理解した上で伝えていかなければ、人は永遠に動かないからだ。プロジェクトを成功に導くのは、行動変容につながるデザインの力なのだ。

有益がこだわる、「人の心を動かす」DXコンサルティング。その醍醐味とは何だろうか。


自分の仕事が、誰の役に立っているのかを知りたかった


かつての有益はデザイナーとして、紙からWebまであらゆる媒体のデザインを手掛けてきた。有益にとって、デザイナーの仕事は己の力量を大いに発揮できる領域だった。ところが時間の経過とともに、ある一つの疑問が有益の心を支配するようになる。

「自分の仕事は、クライアントのビジネスに金銭的価値を生み出しているのだろうか?」

その答えを、デザイナーの立場から知るのは難しかった。自分の仕事は、一体誰にどんなインパクトを与え、企業のビジネスにどれほどの価値を創出しているのか。どうしてもそれを知りたいと思った有益は、2社目でコンサルタントに転身する決意をする。

コンサルティング会社では新規事業立ち上げからM&A支援まであらゆる業務を手掛け、デジタルマーケティングやデータサイエンス、データ活用のスキルを身に付けてきた。その中には、デジタルやデータといった文化のない業界でデータドリブンなマーケティング・セールスを前提とした新規事業を立ち上げるなど、業界に新しい風を吹き込んだ案件もある。今で言うDXだ。

そして、コンサルタントとしてのキャリアは、気付けば7年目を迎えていた。

ここで学んだスキルを、もっとさまざまな業種業態で活用してみたい。世の中全体のDXを動かすような仕事をしてみたい──。そんな熱意から、有益は電通デジタルの扉に手をかけた。

他の大手コンサルファームも検討した。しかし電通デジタルは、マーケティングに軸足を置いたDXを推進している点で、他の企業とは一線を画していたという。ここなら、今までのキャリアで築いてきた自身の特性をきっと生かせる。そんな直感が働いたのだ。

「マーケティングは右脳と左脳の両方をバランスく使うことが求められる領域です。マーケティングを出発点にDXに取り組んでいる電通デジタルなら、自分がコンサルタントとして培ったAIやデータ活用のスキルも、デザイナーとして身にけた直感や感性を生かした思考も、両方生かせるのではないかと考えました」

右脳と左脳のエッセンスがバランスく取り入れられた、理想的なDX。それを実践するために、有益は2016年に電通デジタルの一員となった。

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AIで結論を示すだけでは、人は動かない


現在入社7年目となる有益は、クライアントのDX実現に向けたデータ戦略のコンサルティング・実行支援を担うデータストラテジー事業部でグループマネージャーを務めている。

クライアントの「ありたい姿」をもとに、実行するべきデータ戦略の大きな地図を描き、現状との差分とその埋め方を明らかにし、共に未来を目指すのが有益の役割だ。

データ分析を含む左脳寄りのロジカルな要素が強い仕事だが、デザイナーとして培った右脳寄りの強みも十分に活かせる部署でもあると、有益は捉えている。

「例えば、クライアントの営業活動の効率化を目指すプロジェクトにおいて、我々がデータ分析によって一つの結論を導き出したとしても、『AIがこう言っているので、その通りに動いてください』と現場に伝えるだけでは、営業を担う人々の動きは何も変わりません。それは『なぜそうするべきなのか?』と理解しなければ、人間は動かない生き物だからです。

一般的な広告にも同様のことが言えます。例えば、山手線の乗客にマンション広告を見せて、『こんな暮らしがしたいな』と思ってもらい、見学会に足を運んでもらう。その広告を作るのと同じ発想で、動いてほしい人の行動変容を促す。そんなデザインの力がDXプロジェクトでも必要となるのです」

多くのDXプロジェクトが失敗する原因は、AIの分析に終始してしまい、「人の行動変容を促すデザイン」が徹底されてこなかった点にあるのではないかと、有益は考えている。

結局、AIが出した分析結果を使うのは人間だ。本来成功するはずのプロジェクトを成功に導くためには、そのことを十分に配慮した上で、人が自発的に動けるプロセスをデザインすることが必要なのだ。

ところが、「いかに人の行動を変えるか」は有益の得意分野であると同時に、最大のハードシングスでもあるそうだ。より良い正解に近づくための鍵は、クライアントとの「密度の高いコミュニケーション」にあると有益は続ける。

「かつて製薬企業のクライアントの依頼を受けて、MRの営業活動の改善に向けてコミュニケーションツールを導入する案件を担当していました。当時はコロナ前だったこともあり、日々クライアントと膝を突き合わせてディスカッションを積み重ねてきました。コンサルタントとして抜け漏れなく論点を整理し続けてきたことが、より良い成果につながったのだと思います」

密度の高いコミュニケーションが価値を発揮するのは、社内においても同じと言えよう。有益は、DXの入口から出口までを自社だけで完結させられることは、電通デジタル最大の強みの一つだと認識している。

「社内のメンバーに関しては誰が何を担当しているのかが分かっているので、チャットツールですぐに連絡を取ることができます。ポジティブな人ばかりなので、正しく質問を投げれば、たとえ面識がない相手であっても丁寧かつ即座に回答してくれます。密度の高いコミュニケーションが取れる距離の近さが、アウトプットの品質に直結しているのを感じますね」

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「情熱」と「根拠」さえあれば、自由に活動できる


ベンチャーマインドと、大企業のアセット。その両方を兼ね備えた数少ない企業の一つが電通デジタルだと、有益は自信を持って話す。

何かを始める際にプロアクティブに動けるだけでなく、実現する際には電通グループの膨大なアセットを活用できる。それは「世界を変えたい」という強い意思を持って働く人にとって、夢のような環境であるのではないか。

「これまで本当に好き勝手やらせてもらってきた」と、有益は自身の経験を振り返る。

「まだ入社して間もない頃の話です。自分は『これからのマーケティングにAIは必然になる』との考えから、最先端のAIツールを自社で扱えるようにしたいと上司に訴えて、まだ国内の広告代理店がどこも提携していなかった海外企業の販売パートナーになる契約を結ばせてもらいました。

自分が『これは面白いと思うんですよ!』と言うと、上司はいつも『分かった分かった』と言って場を整えてくれたり、人を引き合わせてくれるので、とても感謝しています。

もちろん情熱だけではなく、なぜそれが必要なのかという根拠が必要ですが、その二つさえ揃っていれば本当に好きにやらせてくれる。その文化は当社の発足以来ずっとあると思います」

現在の有益は、グループマネージャーとしてメンバーの要望を受け止める立場にもある。挑戦したい人の気持ちが分かるからこそ、どうやったら実現できるかを親身になって考えているそうだ。

そんな有益が今最も情熱を傾けているのは、メタバースのデジタルマーケティングへの活用だ。企業にとって、メタバースは新しいマーケティングチャネルの一つと言える。そこにデータやAI、デザインの文脈を掛け算することによって、企業活動の可能性が大きく広がることを想定している。

「メタバースの世界では、クリエイティブやデザインの要素が重要です。その一方で、緊張や感動など、人の心の動きを察知する身体的なデータも、将来的には取れるようになると考えています。自分は右脳的な思考と左脳的な思考、両方を使える強みを生かして、この領域に貢献していきたいです」

ところで、電通デジタルはこの春、新パーパス「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」を公開した。

世界のあり方を変える際に起点となるのは、「いかに人の心を動かせるかどうか」。有益はこの考え方に強く共感している。

「自分がデータ分析やデザインに強みを持っているように、電通デジタルのメンバーは『人の心を動かす』それぞれの武器を持っています。つまり『世界のあり方を変える』武器を持つ人たちの集合体が、電通デジタルという会社なのだと思います」

ここでは世界を変える一人になれる。有益の言葉にはそんな確信が宿っている。

文・一本麻衣 写真・小田駿一
編集・木原昌子(ハイキックス)

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