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コンサルティングファームがクライアントに提供するもの。それは事業価値の最大化であることに疑いの余地はない。

ここに事業価値だけではなく、環境価値さらには社会価値まで創出している少数精鋭のファームがある。その名は、Gran Manibus(以下、グランマニブス)。

同社は“BizValue Transformation”を掲げ、コンサルティングとビジネスデザインの両軸からのアプローチによって、サステナビリティエコノミクスと“新たな価値の連鎖”を生んでいる。

僅か30名ほどのメンバーで、金融・通信・小売・メディア・製造業といった幅広いカテゴリをカバー。住友商事グループのシステムインテグレーターであるSCSKから出資を受けており、大手コンサルティングファームと同等のプロジェクトを担う。

2021年7月、同社ディレクターとしてビジネスデザインチームを牽引すべくジョインしたのが内藤秀治郎だ。アクセンチュアで10年間活躍した後、シンプロメンテ(現・シンメンテホールディングス)代表取締役となり、東証マザーズ上場を実現。その後、さらにアロバの代表取締役を務めた。

その内藤に、同社代表取締役社長のミゲル アンヘル エステベス アベは何を期待しているのか。二人の対談を通じて、グランマニブスの「挑戦のDNA」が見えてきた。

課題解決だけのコンサルタントの時代は終わりを告げる


代表のミゲルは、慶應義塾大学を卒業後アクセンチュアに入社。さらに同じくコンサルティングファームのヘッドストロングではアメリカ系・ヨーロッパ系の保険会社、銀行、投資会社らを相手に実績を積んだ。

創業から14年、SCSKのグループ会社となって2年半。ミゲルの脳内には、時代に応じて進化する新しいコンサルの姿が描かれている。背景にあるのは、AIによるビジネス進化やスマートフォンのインフラ化によって、ITがビジネスだけでなく生活の局面にまでも降りてきたこと。

「以前のコンサルティングといえば、営業システムや会計システムなど産業区分・機能区分のなかの局所的な提案でした。でもそんな区分や垣根が、時代の流れの中で崩れだしたんです」(ミゲル)

デジタルコンバージェンスやアンバンドリング、バンドリング。そして、トランスフォーメーション。昨今よく聞かれるようになったこれらに共通する意味は「組み直し」。

テクノロジーの発達により、“点ではなく面での解決”ができるようになったとミゲルは言う。

「これこそ大きなパラダイムシフトです。俯瞰的なバリューチェーンの中で競争優位や比較優位、さらに提供価値は何なのかを常に見直さないと、潰れる企業も出てくる。銀行だって安泰ではない。決済手段はもう銀行だけのものではなく、ご存知の通り、巨大EC事業者が乗り込んできている時代ですから」(ミゲル)

さらにコロナの影響により労働資本の移転コスト削減が一気に進んだ。移動せずにオンラインで完結するシーンが日常的になっている。それは労働資本の移転に使われていたサービスにとって、大きな損失になっていることも意味する。


ミゲル アンヘル エステベス アベ

企業もコンサルティングファームも「トランジッション(移行)しなければならない」と、ミゲルは提案する。社会の変化を認めつつ、新たな価値醸成を行なうのだ。

その中で、コンサルタントはクライアントの課題解決請負人に留まっていてはいけない。オポチュニティを発見し、成長させ、社会への価値提供を探っていくことが必要だ。

「消費者にまで価値が届くよう、事業の社会価値や環境価値を追求する。我々はそこまで並走することで、既存のコンサルティングサービスを超えていこうとしているんです」(ミゲル)

モビリティ事業におけるBizValue Transformationは既に始まっており、今後はデジタルヘルスケア、デジタルリテール、フィンテック、さらに生活のあらゆるシーンを網羅するために、エネルギーおよびアグリカルチャーの分野にも着手するという。新たな挑戦は始まったばかりである。


デジタルは手段、トランスフォーメーションをまず見つめよ


「一つの課題解決だけでは意味がない。次なる価値にどう繋げるか、また業界全体への影響も鑑みたビジネスデザインを目指している」

こう語るのは内藤だ。ミゲルと同じく“点の課題解決で終わらない”コンサルのあり方を追求する一方で、「DXという表現が嫌い」と語る。

理由は、今の世の中で語られているDXは常に「デジタル」が先行しているからだ。大事なのはトランスフォーメーションの方。たまたまその手段がデジタルであって、アナログでも十分に変革は起こせると言う。

内藤が上場まで実現させたシンプロメンテは、まさにアナログのマーケットを変えてきた会社だった。

「チェーン・多店舗展開しているお店における課題。例えば、居酒屋でトイレやエアコンが壊れる。お店にとって機会損失になるので早急の対応が必要ですよね。ただ、業者に頼もうにも、本部に連絡するのか自分たちで手配するのか。明日までに修理できなければどうするか等、問題が一気に噴出します」(内藤)

それに対して内藤は、コールセンターを設けることで連絡先を1箇所に束ねた。コールセンターでは、何千もの業者リストの中から、最適な業者に片っ端から電話やFAXで連絡をしていく。居酒屋にとっては迷うことなく即座に対応ができるようになったわけだが、そこにはデジタルの要素が全く出てきていない。

アナログが生かせる場合にはそちらを選択して極める。ロボット同士ならデジタルのみでいいが、人間が介在する以上アナログな部分は存在すると内藤は言い切る。


内藤 秀治郎

「グランマニブスがやっているBizValue Transformationがまさにこれ。デジタルであろうがアナログであろうが、バリューを作り出すことが重要だと考えています」(内藤)

元コンサルタント、かつ事業を成功させている内藤に対し、ミゲルの信用は厚い。経営者として従業員の家族のことまでを思って意思決定を重ねてきた内藤だからこそ声をかけた。

机上の空論や綺麗事だけでない実行力は、後述するように今後グランマニブスが社会価値のある事業を創出するために必要なピースだから。


リーダーは、オーケストラの指揮者のように


グランマニブスのコンサルタントとして必要な資質とは。

この質問に対して「下手の考え休むに似たり」と、思いもしない言葉が飛び出した。このことわざは、碁や将棋で、下手な者の長考は時間を浪費するだけでなんの効果もないことを指す。

「この言葉のように、自分の人生観からしかアイデアは出てきませんし、同じことを考える人は世の中にごまんといる。でも事業創出やイノベーションとなると、本当に価値があるのかを多面的に見極める目利きが非常に大事ですね。その点、内藤には目利きであり嗅覚があると期待しています」(ミゲル)

ビジネスとして、さらに社会的に正しいことなのか。単純に利益をあげるだけでなく、流行のSDGsだけでもなく「本質」を見極められるか。

ミゲルはこの目利きについて、人生で寄り道をしている人がいいのではと推測する。様々な景色を見て、様々な判断を繰り返した人の方が、人間力が向上すると考えるからだ。

「例えば、多趣味な人は色んな場面で消費者になっている。こういうサービスがあれば良かったという希望から、その裏側のサプライチェーンってどうなんだと疑問を抱く。でも、その幅が狭いと、目利きを得たり発揮する機会が少なくなるように思います」(ミゲル)

ただ、この目利きの力があれば良いのかと問うと、ミゲルは首を横に振る。

「目利きはあくまで入り口で、無駄なテーマ・アイデアに向いていかないという確認のため。大事なのは実行力なんですよ。並走してくれるパートナーや投資家を見つけて、一緒に動く。そちらの方が、パワーが要りますからね」(ミゲル)

この実行力を発揮するために組織があると内藤は捉えている。

「どんどん挑戦しないと成功も失敗もしない。もし何かがあった時でもリーダーが腹を括っていればいいんです。挑戦する者をフォローし、評価するのが組織なんですから」(内藤)

コンサルの現場では、クライアントの方が業界や現場について詳しい。彼らを納得させドライブをかけていくには、新たな価値を提案する挑戦心が必要だと言う。

住友商事グループとして投資余力や持続力のある同社だが、求められるのは安定志向や指示まち人材ではない。プロとして自律し挑戦を続けられるプレイヤーだ。

「これは、一人でやってください、と言う意味ではありません。新しい価値を作りだすために、我々は幅広い視点を兼ね備えていなくてはならない。チームワークで成し遂げていきたいので、内藤にも全部やってということではなく、全体をオーケストレーションして欲しいと考えているんですよ」(ミゲル)

縁あって同じ会社で働く。上司部下ではなく同志として、互いに尊敬しながら挑戦を続ける。ミゲルと内藤の関係に同社のDNAがはっきりと浮き彫りになった。

文・上沼祐樹 写真・小田駿一

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【編集後記】

同じ年齢だというミゲル氏と内藤氏。

「役職に上下はない。それぞれの役割を全うしよう」
そう語る二人にはビジネスパーソン、いや人としての器の大きさを感じた。

会話の端々から垣間見えたのは、彼ら自身が非常な勉強家、そして哲学家であることだ。

これは私の想像だが、二人の飽くなき好奇心はビジネスの枠に止まらず、「人」に向けられているように思う。

まるで賢人。
こんなふうに言うと謙遜する顔が浮かぶが、二人が率いるチームで働けたら、人生において本当に大事なことまでも学べる。そんな気がした。

編集・梅田佳苗(Forbes JAPAN CAREER)